国土数値情報のDID人口集中地区(ポリゴン)を利用して地方都市の郊外化を可視化.
地方都市ではモータリゼーションの進展とそれに伴い市街地が外延.
郊外化を示す方法の一つして,人口が集まっている地域,人口集中地区(DID:Densely inhabited districtの略),の面積の拡大によって示す方法がある.
ライブラリ:sf
,tidyverse
シェープファイルのダウンロード
read_sf
:データ読込.Kagawa_map
と名付ける.Kagawa_map
から高松市(行政区域コードN03_007
の37201
)を切り抜き,新しいデータをTakamatsu_shi_map
とする.Kagawa_map <-
read_sf("N03-20210101_37_GML/N03-21_37_210101.shp")
#高松市選別
Kagawa_map %>%
filter(N03_007=="37201") ->
Takamatsu_shi_map
時系列の変化を見るため,例として1975年(昭和50年)と2015年(平成27年)の人口集中地区のシェープファイルをダウンロードする.
read_sf
:データ読込.Kagawa_DID75
,Kagawa_DID15
と名付ける.crs="WGS84"
はcrs
(Coordinate
ReferenceSystem,座標参照系)を1984年に定められた世界測地系(World
Geodetic System)に投影を意味.この指示をしないとエラーが出現.Kagawa_DID#
(#
は75
か15
)から高松市(行政区域コードA16_002
の37201
)を切り抜き,新しいデータをTakamatsu_shi_DID#
とする.#1975年の人口集中地区データの読込
Kagawa_DID75 <-
read_sf("A16-75_37_GML/A16-75_37_DID.shp",
crs="WGS84")
#高松市選別
Kagawa_DID75 %>%
filter(A16_002=="37201") ->
Takamatsu_shi_DID75
#2015年の人口集中地区データの読込
Kagawa_DID15 <-
read_sf("A16-15_37_GML/A16-15_37_GML/A16-15_37_DID.shp",
crs="WGS84")
#高松市選別
Kagawa_DID15 %>%
filter(A16_002=="37201") ->
Takamatsu_shi_DID15
地図上に鉄道(ライン)を可視化.
国土数値情報ダウンロードサービス > 鉄道(ライン) > 全国 > 世界測地系 > 令和2年
railway20
と名付ける.人口集中地区の可視化
Kagawa_map
).Takamatsu_shi_map
).背面は白に塗る(fill
)ように指示.境界線を強調するため,境界線の太さ(linewidth
)を指示.Takamatsu_shi_DID15
).2015年のほうが1975年よりも人口集中地区が大きいため,地図を下に配置.色は緑系をここでは利用.Takamatsu_shi_DID75
).色は青系を利用.dark green
)は1975年のそれに比べ,外側に広がっただけなく,内側に狭まった箇所もある.そのような箇所は,1975年の地図で見えなくなってしまうため,下から4番目として2015年の人口集中地区の境界線(dark green
,ただし境界内は透明(fill="NA"
))の地図(Takamatsu_shi_DID15
)を重ねている.)railway20
).線の太さ(linewidth
)と線が境界線と区別(linetype
)できるように指示.coord_sf()
:緯度(x
)と経度(y
)を用いて地図の範囲を指定.ggplot()+
geom_sf(data=Kagawa_map)+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_map, fill="white",
linewidth=0.8)+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_DID15,
fill="green", color="darkgreen")+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_DID75,
fill="lightblue", color="blue")+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_DID15, fill="NA",
color="darkgreen")+
geom_sf(data=railway20, linewidth=0.2,
linetype="dashed")+
coord_sf(xlim=c(133.80, 134.24),
ylim=c(34.19, 34.42))+
ggtitle("高松市の人口集中地区の変遷",
subtitle="(1975年ー2015年)")+
theme_bw()
凡例の作成と完成図
1975年と2015年の人口集中地区の凡例を作成.
aes()
で指示.scale_fill_manual()
とscale_color_manual()
を用いて手動で境界内の色と境界線と色を指示.色を除く内容を揃えることで,凡例を一つにまとめる.labs()
内に出典表記(caption
).#凡例の作成
ggplot()+
geom_sf(data=Kagawa_map)+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_map, fill="white",
linewidth=0.8)+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_DID15,
aes(fill="2015年", color="2015年"))+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_DID75,
aes(fill="1975年", color="1975年"))+
scale_fill_manual(name="人口集中地区",
labels=c("1975年", "2015年"),
values=c("lightblue", "green"))+
scale_color_manual(name="人口集中地区",
labels=c("1975年", "2015年"),
values=c("blue", "darkgreen"))+
geom_sf(data=Takamatsu_shi_DID15, fill="NA",
color="dark green")+
geom_sf(data=railway20, linewidth=0.2,
linetype="dashed")+
labs(caption="出典:国土交通省国土数値情報")+
coord_sf(xlim=c(133.80, 134.24),
ylim=c(34.19, 34.42))+
ggtitle("高松市の人口集中地区の変遷",
subtitle="(1975年ー2015年)")+
theme_bw()
参考(高松市DID人口密度)
↑で利用したDID人口集中地区のデータには人口集中地区の人口(人)や面積(㎢)が示されている.この数値から人口密度(人/㎢)が計算できる.
高松市の人口集中地区人口密度(人/㎢) | |||
年 | 人口 | 面積 | 人口密度 |
---|---|---|---|
1975 | 179426 | 29.40 | 6102.925 |
2015 | 212897 | 41.04 | 5187.549 |
同じ作業のため,コードは記さない.
A16_002
)と異なる.そこで,富山市(16201
)だけでなく八尾町(16361
)も含めて,1975年の富山市の人口集中地区データを作成.
人口集中地区の可視化
参考(富山市DID人口密度)
富山市の人口集中地区人口密度(人/㎢) | |||
年 | 人口 | 面積 | 人口密度 |
---|---|---|---|
1975 | 166572 | 32.00 | 5205.375 |
2015 | 235868 | 57.89 | 4074.417 |
同じ作業のため,コードは記さない.
ただし,2012年度から政令指定都市になったため,行政区域のコードに注意すること.
注意:2015年は行政区域コード(A16_002
)の43101
から43105
が熊本市.
人口集中地区の可視化
注意:熊本市北部に2015年に1975年には存在しなかった人口集中地区が加わっている.この地区は熊本市中心市街地活性化基本計画(植木地区)(アクセス日:2022/06/09)により別途認定.
参考(熊本市DID人口密度)
熊本市の人口集中地区人口密度(人/㎢) | |||
年 | 人口 | 面積 | 人口密度 |
---|---|---|---|
1975 | 379589 | 51.00 | 7442.922 |
2015 | 587816 | 88.76 | 6622.533 |
Rによる地理空間データの可視化